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会話形式で楽しく学ぶ人事労務管理の基礎講座

今後の高齢者雇用の検索ポイントと他社の雇用状況

鈴木工業では定年を60歳とし、希望者については65歳まで継続雇用をしている。継続雇用となる従業員の人数は年々増えており、今年65歳を迎える従業員が初めて出ることになる。そこで、会社の制度として65歳以降の雇用をどうするのか検討したく、他社の雇用状況について社労士に相談することにした。

木村部長

来月、定年退職となる従業員がおり、退職届も継続雇用となる予定です。当社では年々、継続雇用の人数が増えています。また、今年65歳となり継続雇用が終了となる従業員が初めて出てきます。

労務士

そうでしたか。

木村部長

継続雇用が終了となりますが、現場での人材確保が厳しいことを考えると、引き続き勤務してもらえないかと思っています。他社の雇用状況はどのようになっていますか?

労務士

他社の雇用状況がわかるものとしまして、厚生労働省が公表している「高齢者の雇用状況」があり、令和2年の結果(以下「結果」という)が公表されています。弊社でも毎年6月1日現在の高齢者の雇用状況を報告されていると思いますが、その報告をまとめたものです。

木村部長

毎年提出している報告のことですね。

労務士

はい。現行の法令では、原則希望者全員(※)を65歳まで雇用することが義務付けられていますが、この調査において66歳以上まで働くことのできる制度がある企業は前年より5,164社増加して54,802社となり、これは報告した全ての企業に占める割合は33.4%となっています。

木村部長

3分の1の企業で、66歳以上まで働くことができるようになっているということですね。

労務士

そうですね。これを企業規模別に見ると、従業員31人〜300人規模(以下「中小企業」という)では49,985社で前年より4,593社増加し、報告した中小企業の34.0%を占め、従業員301人以上規模(以下「大企業」という)では4,817社で前年より571社増加し、報告した大企業の28.2%を占めています。

木村部長

企業規模にかかわらず、66歳以上でも働くことができる制度にする企業は増えているのですね。66歳以上まで働くことができる制度とは、どのような形の雇用でしょうか?

労務士

中小企業の状況を見て見ると以下のような内訳になっています。
  • 定年制の廃止▶︎3.0%
  • 66歳以上の定年2▶︎.6%
  • 希望者全員の66歳以上の継続雇用▶︎8.0%
  • 基準該当者の66歳以上の継続雇用▶︎10.9%
  • そのほかの制度で66歳以上まで雇用▶︎9.5%

木村部長

基準該当者の66歳以上の継続雇用の割合が一番高くなっていますが、これは契約更新の基準を設け、その基準を満たした場合は引き続き雇用するということですね。

労務士

そうですね。66歳以上でも継続して雇用したいという会社の意向はあるものの、一方である程度継続雇用する従業員を限定したいという考えもあるのでしょう。次に70歳以上まで働くことができる制度のある企業の状況をみてみましょう。こちらは51,633社と前年より4,975社増加しており、報告した全ての企業に占める割合は31.5%となりました。企業規模別では、中小企業は47,172社で前年より4,427社増加し、報告した中小企業の32.1%を占め、大企業では4,461社で前年より548社増加、報告した大企業の26.1%を占めています。

木村部長

70歳以上まで働くことができる制度のある企業も、全体の3割あるということですね。

鈴木社長

66歳以上まで働くことができる制度のある企業、70歳以上まで働くことができる制度のある企業ともに、前年より増加していることを考えると、65歳以降の雇用について見直す動きが活発化しているようですね。

労務士

今後の人材確保を見据え、優秀な人材については年齢にかかわらず引き続き働いて欲しいと考える企業は多いように思います。その際、65歳以降も継続して雇用する基準をどのようにするのか、処遇をどのように設定するのか、勤務時間はどのようにするのかなど、色々な検討事項が出てきます。

木村部長

なるほど。時間をかけて検討する必要がありますね。現場の意見も確認しながら、制度を検討したいと思います。ありがとうございました。

ワンポイントアドバイス

2021年4月から改正高年齢雇用安定方が施行され、現行の65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会確保が努力義務となります。この70歳までの就業機会確保については、以下の1〜5のいずれかの措置を講じることがフォ力義務とされています。今後、65歳以降の雇用について検討をする際には、この70歳までの就業機会確保の内容も踏まえた上で、検討することが求められます。

  1. 70際までの定年引き上げ
  2. 定年制の廃止
  3. 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務塩嶺制度)の導入
  4. 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
  5. 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
    a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
    b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

参考リンク

厚生労働省「令和2年「高年齢者の雇用状況」集計結果を公表します」
厚生労働省「高年齢者雇用安定法の改正~70歳までの就業機会確保~」

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鈴木工業では定年を60歳とし、希望者については65歳まで継続雇用をしている。継続雇用となる従業員の人数は年々増えており、今年65歳を迎える従業員が初めて出ることになる。そこで、会社の制度として65歳以降の雇用をどうするのか検討したく、他社の雇用状況について社労士に相談することにした。

木村部長

来月、定年退職となる従業員がおり、退職届も継続雇用となる予定です。当社では年々、継続雇用の人数が増えています。また、今年65歳となり継続雇用が終了となる従業員が初めて出てきます。

労務士

そうでしたか。

木村部長

継続雇用が終了となりますが、現場での人材確保が厳しいことを考えると、引き続き勤務してもらえないかと思っています。他社の雇用状況はどのようになっていますか?

労務士

他社の雇用状況がわかるものとしまして、厚生労働省が公表している「高齢者の雇用状況」があり、令和2年の結果(以下「結果」という)が公表されています。弊社でも毎年6月1日現在の高齢者の雇用状況を報告されていると思いますが、その報告をまとめたものです。

木村部長

毎年提出している報告のことですね。

労務士

はい。現行の法令では、原則希望者全員(※)を65歳まで雇用することが義務付けられていますが、この調査において66歳以上まで働くことのできる制度がある企業は前年より5,164社増加して54,802社となり、これは報告した全ての企業に占める割合は33.4%となっています。

木村部長

3分の1の企業で、66歳以上まで働くことができるようになっているということですね。

労務士

そうですね。これを企業規模別に見ると、従業員31人〜300人規模(以下「中小企業」という)では49,985社で前年より4,593社増加し、報告した中小企業の34.0%を占め、従業員301人以上規模(以下「大企業」という)では4,817社で前年より571社増加し、報告した大企業の28.2%を占めています。

木村部長

企業規模にかかわらず、66歳以上でも働くことができる制度にする企業は増えているのですね。66歳以上まで働くことができる制度とは、どのような形の雇用でしょうか?

労務士

中小企業の状況を見て見ると以下のような内訳になっています。
  • 定年制の廃止▶︎3.0%
  • 66歳以上の定年2▶︎.6%
  • 希望者全員の66歳以上の継続雇用▶︎8.0%
  • 基準該当者の66歳以上の継続雇用▶︎10.9%
  • そのほかの制度で66歳以上まで雇用▶︎9.5%

木村部長

基準該当者の66歳以上の継続雇用の割合が一番高くなっていますが、これは契約更新の基準を設け、その基準を満たした場合は引き続き雇用するということですね。

労務士

そうですね。66歳以上でも継続して雇用したいという会社の意向はあるものの、一方である程度継続雇用する従業員を限定したいという考えもあるのでしょう。次に70歳以上まで働くことができる制度のある企業の状況をみてみましょう。こちらは51,633社と前年より4,975社増加しており、報告した全ての企業に占める割合は31.5%となりました。企業規模別では、中小企業は47,172社で前年より4,427社増加し、報告した中小企業の32.1%を占め、大企業では4,461社で前年より548社増加、報告した大企業の26.1%を占めています。

木村部長

70歳以上まで働くことができる制度のある企業も、全体の3割あるということですね。

鈴木社長

66歳以上まで働くことができる制度のある企業、70歳以上まで働くことができる制度のある企業ともに、前年より増加していることを考えると、65歳以降の雇用について見直す動きが活発化しているようですね。

労務士

今後の人材確保を見据え、優秀な人材については年齢にかかわらず引き続き働いて欲しいと考える企業は多いように思います。その際、65歳以降も継続して雇用する基準をどのようにするのか、処遇をどのように設定するのか、勤務時間はどのようにするのかなど、色々な検討事項が出てきます。

木村部長

なるほど。時間をかけて検討する必要がありますね。現場の意見も確認しながら、制度を検討したいと思います。ありがとうございました。

ワンポイントアドバイス

2021年4月から改正高年齢雇用安定方が施行され、現行の65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会確保が努力義務となります。この70歳までの就業機会確保については、以下の1〜5のいずれかの措置を講じることがフォ力義務とされています。今後、65歳以降の雇用について検討をする際には、この70歳までの就業機会確保の内容も踏まえた上で、検討することが求められます。

  1. 70際までの定年引き上げ
  2. 定年制の廃止
  3. 70歳までの継続雇用制度(再雇用制度・勤務塩嶺制度)の導入
  4. 70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入
  5. 70歳まで継続的に以下の事業に従事できる制度の導入
    a.事業主が自ら実施する社会貢献事業
    b.事業主が委託、出資(資金提供)等する団体が行う社会貢献事業

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